【絶滅寸前!?】タツノオトシゴの危機…

こんにちは~!
現場担当の松本です!

最近、晴れたと思ったら大雨になったりで大変ですね😰
毎日ムシムシと暑いので、汗だくでタツノオトシゴのお世話をしてます、、!
お掃除や給餌の時に水槽に手を突っ込むのですが、冷たい飼育水でヒヤ~っとするのが最近の密かな楽しみです😁♪

前回の記事では、タツノオトシゴの不思議な生態についてご紹介させていただきました!
魅力は伝えられたでしょうか??少しでも興味を持っていただけるきっかけになれば嬉しいです♪

さて、今回はそんな魅力たっぷりのタツノオトシゴの危機😨についてお話しようと思います!

まず初めに、皆さんタツノオトシゴが【絶滅危惧種】だということはご存じでしょうか…?

絶滅危惧種というと、日本では「イリオモテヤマネコ」や「トキ」がよく知られていますよね。
絶滅の危機レベルは違いますが、実はタツノオトシゴも絶滅危惧種に登録されていたんです…。

絶滅危惧種であるほんの一部の動物達です…
引用元(© Wim van Passel / David Lawson / Martin Harvey / Mikaail Kavanagh / Michel Terrettaz / Philippe Oberle / Bernard De Wetter / Anton Vorauer / Adriano Gambarini / Andrey Nekrasov / Tom Arnbom / Simon Lorenz / Richard Barrett / Wild Wonders of Europe / Jari Peltomaeki / WWF / WWF-UK / WWF-Brazil / WWF-Hong Kong)

絶滅危惧種という言葉自体は、なんとなくニュース等で見たり聞いたりしたことがあると思います。
今では4万種を超えるそう…😱
漠然と「守らないと!」と焦る気持ちにはなりますよね…😰

ですが、そもそも【なぜそこまで数が減ってしまったのか
守るためには何をしなければいけないのか】そこまで考えたことがある方は少ないのではないでしょうか…

そこで、今回はタツノオトシゴを代表として
絶滅の危機にさらされてしまった原因解決策について、少し掘り下げていきたいと思います!
(少し長くなりそうですが、お付き合いください😖)

タツノオトシゴを絶滅危惧種に追いやったもの、それはズバリ【乱獲】です。
「やっぱりな~」という方も多いのではないでしょうか。
では、具体的にどのように乱獲されているのでしょう…?

様々な漁の仕方がありますが、乱獲の主な原因となっているのは【底引き網漁】です。

きゃ~、ごっそり~
引用元(https://jizakanavi-fukuoka.jp/library/gyohou/603df809f83018c76e04b82c354a87bf975be007.html)

図の通り、長い袋状の網を海底に広げて船で引きずり、エビや魚など海底にすむ魚介類をとる漁法です。
この漁法は狙った特定の獲物をとることはできません。
そのため、網が通るところにいた生物は根こそぎ全部獲られてしまうんです…😨

エビの捕獲を目的とした底引き網漁でも、捕獲した生物のうち約6割~7割はエビ以外だそう…!
ほとんどが獲る必要のない生物だということですね…。

この底引き網漁は世界中で広く行われていますが、
近年、特に南アジアや東南アジアでますます使用されるようになっています。

しかし、特に問題とされているのは中国による密漁、乱獲です。
タツノオトシゴに限らず、ナマコや赤サンゴなどの乱獲もニュースで報道されていますよね。
恐ろしい…😱

このように乱獲を繰り返し、世界中の21の国では年間4,000万匹以上も捕獲されているというタツノオトシゴですが、なぜ乱獲されるのでしょう…?日本では水族館くらいでしか見かけませんよね。
乱獲するほどの需要はどこにあるのでしょうか…。

実は、タツノオトシゴは古くから主に中国や各国のチャイナタウンで漢方薬として流通しているんです。
なんと、漢方薬としてのタツノオトシゴに関する最初の明確な記述は739年のものだとか…!😮
漢方薬を扱った数々の本で「呼吸器系や腎臓、腹痛や関節炎の治療薬」、
老化の緩和」、「出産の促進」、「精力剤」などとして推奨されています。
(日本でも有名な栄養ドリンクにタツノオトシゴのエキスが使用されているんですよ!)

漢方として売られているタツノオトシゴ
引用元(https://kanpoukazoku.com/2014/06/post-3114/)

これがすごく高価なものなんです…!💸
高値で取引されるものだから、密漁・乱獲でたくさん手に入れようとしているんですね…

では、この乱獲を阻止するためにはどうすればいいのでしょうか…?
今更「絶滅の危機なので、乱獲をやめてください!!」なんてどれだけ一生懸命お願いしても、
お願いするだけじゃ絶対やめてもらえませんよね😭

そこで、解決策の1つとなるのが【養殖】です!
養殖で質のいい個体を安定的に供給できれば、
その日獲れるか分からない漁よりも確実に手に入れられますし、
目当ての種類、大きさなども選ぶことができますよね!
そうすれば密漁や乱獲をする必要性も低くなります。

同じく絶滅危惧種に指定されている【クロマグロ】はすでに完全養殖(天然資源から卵をとってきて育てるのではなく、養殖した親から産まれた子供を育てていく技術)が実現されており、
天然のクロマグロを守ることに大きく貢献されています!
テレビCMでよく目にしますよね!😊

私たちが取り組んでいる【たつのおとしごプロジェクト】も、
「自然界のタツノオトシゴを守りたい!!😭」という強い思いからスタートした養殖事業です!
インスタグラムもあるのでよろしければチェックみてください♪)

それを成功させるために、日々東海大学にて研修を受けております…!!
うおー!!!タツノオトシゴを守るぞー!!自分で書いててやる気がでてきました!!笑
タツノオトシゴ達を救うお手伝いができれば、そんな嬉しいことはないです😭
タツノオトシゴ達、待っててねー-!!😁

今回は、タツノオトシゴの危機についてお話させていただきました!
いかがでしたか?少しでも勉強になったな~、絶滅危惧種についてもっと知りたい!と思っていただけたら嬉しいです😊

長くなってしまいましたが、ここまで読んでくださって本当にありがとうございました!
ほんま、おおきに~😆

また次回もお楽しみに!
ではまた~!

(参考:サラ・ローリー「タツノオトシゴ図鑑」,丸善出版株式会社,2018年4月,48,49,58,59ページ)


この記事を書いた人

松本 早詠

松本 早詠