こんにちは!現場担当の井坂です!
4月下旬になり、夜も過ごしやすい気温になってきましたね!昼間は少し暑く感じますが💦
ビニールハウスの中は熱がこもるためかなり暑くなってしまいますが、外に出ると心地よい風が吹くので気持ちいいです(笑)
さて、今回はイサザアミについて紹介しようと思います!
前回はイサザアミはエビの様な形をしているがプランクトンと分類されることを紹介しましたね!
ではイサザアミとは実際にどんな生き物なのか?を深掘りしていきますね!!
・イサザアミの生態
イサザアミは日本に5種類ほど生息していることが確認されています。
静岡県の浜名湖や佐鳴湖、海とつながっている河川ではニホンイサザアミが生息しています。
静岡県のイサザアミは汽水を好むようで、淡水域では見かけたことはありません。また、雨が降った次の日に大量発生を見かけることが多く、雨水の流入による塩分濃度の低下か、溶存酸素量の増加、増水による湖底や川底の撹拌によるものかまだ分かっていません。もしかしたら全ての要因が上手く噛み合って発生しているかもしれませんね。
イサザアミの塩分濃度の適応力はかなり高く、水温の変化にも強いようです。採取場所から飼育槽に移す際も点滴で水合わせすれば問題なく飼育することができました。
しかし、一般的な水生生物と同じく急激な変化や溶存酸素量の低下には弱いため、飼育する際には水合わせとエアレーションはしっかり行ってくださいね!
・天然飼料や活餌として
イサザアミは幅広い海水魚の活餌として優秀とされています。
肉食性で口のサイズが合えば多くの魚に対して趣向性が高いです。
弊社で飼育しているタツノオトシゴたちにも人気があります!
魚にも人気ですが、人間にとっても地域によって食用になる場合があり、つくだ煮等にして食べられるようです。
また、天然餌料として汽水湖のボラやハゼ、シラウオ、フナ、ウグイ等の主要飼料になっているようです。確かに、採取場所でイサザアミが採取できる時期になるとボラも同時に活発になっている気がします。
浜名湖にはキス、ハゼ、クロダイ、スズキ、ヒラメ、ボラなど肉食性或いは雑食性の魚類が多く生息しているため、イサザアミの存在は非常に重要だと思います。
・イサザアミの食性
前回の記事に誤りがありましたので、ここで訂正させて頂きます。見聞きした情報だけでしっかり調べずに投稿してしまいました。
前回はイサザアミは草食性(植物プランクトン食)と言いましたが、ブラインシュリンプや底生の動物プランクトン、有機残渣も食しているようです。そのため雑食性となります。
野生下では珪藻類や緑藻類、残渣を食しているという記事が多いですが、飼育下ではアルテミア等の動物プランクトンも摂餌するようです。ペレットや乾燥餌と比べて動物プランクトンを給餌した場合にどちらが生残率が高いか気になりますね!
・イサザアミの養殖
イサザアミの養殖の研究は、調べても論文が見当たらないので難しいのか或いは需要がないのかも知れませんね。
X(旧Twitter)では養殖の研究を現在進行形でされている方が居ました。調べるとすぐ出てくるので、もし気になる方が居たらぜひ調べてみてください!
活イサザアミは高価で、寒い時期や天候が荒れる時期には採集がかなり難しいので、いつか養殖に挑戦でいたらいいなと考えています!
イサザアミは生まれてから2~3ヶ月ほどで大きくなり、性成熟は不明ですが大きさは成体と同じぐらいまで成長します。これは閉鎖循環でイサザアミの密度が高く、アルテミアを給餌していた環境なので、環境を改善したり餌を変えたりすれば成長率は更に高くなるかもしれません。
また、水面から飛び出して水槽の壁面にくっついてしまい、そのまま斃死してしまうことがとても多いので、対策を考えなければいけませんね・・・。元気が良いのは喜ばしいことですが、元気が良すぎるのも考え物ですね(笑)
今回は少し専門的な内容になっていましたがどうでしたか?
イサザアミは日本で食用になっているということは最近になって初めて知ったので、食べる機会があれば食べてみたいと思います!!
少しでもイサザアミや汽水域等について興味を持っていただけたら嬉しいです!
ここまで読んでいただきありがとうございました!
また次回の投稿をお楽しみください!!🦐
【参考文献】
村野正昭:イサザアミ、Neomysis intermedia CZERNIAWSKY の漁業生物学的研究:I.食性について
村野正昭:イサザアミの漁業生物学的研究ーV:環境要因に対する適応性
村野正昭:イサザアミ、Neomysis intermedia CZERNIAWSKY の漁業生物学的研究:I湖沼生産に演ずる役割