こんにちは!現場担当の片岡です!
タツノオトシゴの世話だけでなく近々アマモについてもやる予定なので、今回はブルーカーボンにおけるアマモの「炭素固定」についての話をします。
弊社HPの「私たちについて about」→「カーボンニュートラルの推奨」に詳しい記事があるように、地球温暖化対策の一つであるCO₂削減には色々な方法が必要とされています。
その中でも植物の光合成によるCO₂の吸収は皆さんもご存じだと思いますが、植物が他の生物に捕食・分解されると呼吸として大気中にCO₂が排出されます。また腐敗・分解が進むとメタンガス(CH₄)等の状態で大気中に近々戻ってしまうので、生態系の中で炭素(C)が隔離・貯留されることが重要になりこれを「炭素固定」と言います。
陸上生態系で出る炭素を隔離・貯留する森林などがグリーンカーボンに対して海洋生態系に炭素固定されたものをブルーカーボンと呼ばれています。
【グリーンカーボン】

【ブルーカーボン】

河川はブルーカーボンに含まれていないの?という疑問が沸く方もいらっしゃると思いますが、実は淡水より海水中の方が溶存二酸化炭素(CO₂)とは別に、炭酸水素イオン(HCO₃−)や炭酸イオン(CO₃²−)の形で100倍以上の炭素が含まれているのです。(それによる海水の酸性化傾向の問題がありますが、それはまた別の機会に!)
淡水と海水が混ざる汽水湖の浜名湖は海洋生態系が豊かである以外にもブルーカーボンにとって重要な環境なのです!
しかし地球温暖化による海水温上昇でアマモの種類が多年草から一年槽に変わってしまっている傾向が全国的にあり、浜名湖もその可能性があります。
2024年9月のブログに浜名湖のビーチコーミングで発見した乾燥したアマモの束の画像をアップしました。

昔の村櫛では田畑の肥料として扱われていたそうですが、分解されてしまうと炭素が大気に戻ってしまうのでブルーカーボンとしては海中に炭素固定されることが重要なのです。
「海草」であるアマモは種子植物に分類され、食べると甘みがあることからアマモと呼ばれているそうですが、海洋国家の日本でも積極的に食べているとは聞いたことがありません。
アマモは海底の砂質や泥質に茎や根を張ることから底泥中に埋没し炭素固定できる期間はなんと数百年以上もあるそうです!
また、干潮時に海水から露出する潮間帯に生息する種はなんと大気中のCO₂を直接吸収できます!

これに対してノリやコンブ、ワカメなどの海藻は主に岩場に張り付き乾燥に弱く、生育中は枯れた後も海中を漂い他の生物に捕食・分解されてしまいます。
浜名湖では養殖も行われていますが人間が美味しくいただいていますよね!
もちろん、私も大好きです(笑)
ブルーカーボンに重要な「炭素固定」と言う切り口で考えるとアマモは重要なポジションなのがご理解いただけましたでしょうか?
次は今の浜名湖のアマモの状態について投稿します!
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。