絶滅危惧のタナゴ!?

こんにちは!現場担当の井坂です!
今回は、私が専門学生だった時に卒業研究の題材にしていたスイゲンゼニタナゴという、絶滅危惧種1A類と評価されているタナゴについて紹介したいと思います!

日本の中では最も小型で、カゼトゲタナゴとそっくりの見た目です!
背鰭と腹鰭が婚姻色でうっすらピンク色になっていて、とても綺麗ですねー!

このスイゲンゼニタナゴは岡山県と広島県にしか生息しておらず、両県でも一部にしか生息していないようです…
そのため見かけても絶対に捕獲したりしてはいけません!!

タナゴ類の繁殖方法は独特で、淡水の二枚貝に産卵して繁殖します。そのため、河川工事や外来種の影響でタナゴの生息域から二枚貝が減少が減少してしまうと、タナゴも自ずと減少してしまいます。また別の地域から持ち運ばれた、別種のタナゴ類と交雑してしまうことで雑種が増えて、純粋なスイゲンゼニタナゴが減ってしまっているのが現状です。

そんな絶滅の危機に瀕しているスイゲンゼニタナゴを人の管理下で飼育して人工的に繁殖させよう!という目的の研究を先輩方から引き継いで行っていました。
飼育方法は特に難しくありませんが、個体数が少なく購入や捕獲もできないため、とても緊張して作業していました(笑)

研究結果としては、人工繁殖に成功して数匹の稚魚を孵化させることが出来たのでとても満足のいく成果だと思います!
とても責任感のある研究でしたが、自分の手で一つの種を守れるかもしれないという取り組みにとてもやりがいを感じる事ができました。

最近は海外で日本の水産物や水産加工品の注目が高まっていますが、漁獲量は年々減少しています。そのため多くの水産企業や研究機関が環境の保全や、養殖、畜養、稚魚の放流など多くの取り組みを行って、水産資源を守ろうとしています。ですので、少しでも多くの方が水産資源について関心を持ってくださると嬉しいです!!


ご拝読ありがとうございました!また次回の更新をお楽しみください!

この記事を書いた人